日本百名山逍遥
2006.9.より登山順
槍・穂高大展望の山蝶ヶ岳と常念岳

[番外]      蝶ヶ岳   2677m  (長野県安曇市)74
[日本百名山]  常念岳  2857m (長野県安曇市)75     
第3回登山 2014.08.14-15 三俣より蝶ヶ岳を往復する。蝶ヶ岳ヒュッテ泊。
第2回登山 2013.07.26-27 一ノ沢より常念岳。翌日蝶ヶ岳。翌日上高地に降りる。
第1回登山 2012.07.25-27 三俣より蝶ヶ岳。翌日常念岳。翌日一の沢へ下山。 

  2014年08月14-15日(木金)3回目 三俣-「蝶ヶ岳」往復



 お盆休みは、前半が天気が良いとにらんで、14-15日と、まだ登っていないと云うN女史を「蝶ヶ岳」を案内する事にした。彼女にぜひ上高地を挟んでの、目の前の穂高岳・槍ヶ岳を見せたいと思った。一泊で蝶ヶ岳の往復だが、この間の燕岳のように、晴れていれば大展望が楽しめるはずだった。


  8月14日(木)第1日


 4.00時に小松の市民病院の駐車場で待ち合わせ。N女史を乗せて山に向かう。糸魚川で高速を降り、白馬村を過ぎ、木ア湖を過ぎた所より国道を離れ、山すその道を走る。「アルプスあずみの公園」より山に向かう林道に入る。2年前に一人で来ているので、なんとか道を覚えている。8.00時に突き当りの「三股駐車場」に到着。お盆でもっと満車かと思ったが空きスペースがある。




 トイレを使わせてもらって出発。駐車場の先の未舗装林道を、15分ほど歩くと三股登山口に着く。小屋がある。

 ツリガネニンジン       キツリフネソウ        ツリフネソウ



 今日は小屋の前に机を出して、登山者名簿の受付をしている。名簿記入提出。案内看板を参考の為載せておく。8.40分だ。ヒュッテまで5.30分と書き込みがある、私の足では大抵コースタイムの5割増し位のペースだから、夕方4時には着くだろう。標高差も1300mはある。今日も辛いぞ。





 少し降って歩き出す。



 9.15分に「力水」通過。この水は冷たくて旨い。





 9.25分。「ゴジラみたいな木」の立札がある。だいぶ有名になったみたいで、蝶ヶ岳ヒュッテにゴジラの絵の入ったTシャツを売っていた。名前は「ゴジさん」と名付けられたらしい。








 栂の木?と思われる林を、真っ直ぐの道がある。登山路が前方の谷によって左に曲がり、急坂の尾根をジグザグと登り出す。新しい木の階段が、次から次へと現れる。高低差は200m急坂。







 ツルリンドウ         11.10分に急坂を登り切る   ギンリョウソウ



 11.55分、しばらくは平坦   カニコウモリが多い      サンカヨウの実



 キヌガサソウ         ハリブキ           アキノキリンソウ



 雨が降りだし合羽を着る。

 標高2200m辺りで一度沢を渡る。地図を見ると蝶沢の上に成るようだ。

 ここから悪路の急坂になり足が進まぬ。
 13.55分に?ベンチ                 




 ゴゼンタチバナ        15.15分に最終ベンチ     クルマユリ



 雨でカメラの調子が悪くなり、撮る事を断念。最終ベンチから先は完全にへたばり、少し登っては休み、少し登っては休み。滅茶苦茶に時間が掛かった。


 大滝山への分岐まで出て、一面のお花畑になったが、雨と濃霧で何も判らない。もう小屋が近くて見える筈たが真白である。


 16.30分にようやくヒュッテにたどり着く。小屋は思ったよりガラガラである。


 18.00時に夕食。すぐ寝る。





  8月15日(金)第2日


 ヒュッテロビーに置いたテレビの天気予報では、安曇野市は午前中は晴れマーク、午後から曇りで夕方より雨マーク。ところが夜中に外を眺めても濃霧。明るくなってきても濃霧。5時にはもう濃霧の中を出発するパーティがある。5時半に食事。








 天気予報を信じて、晴れないかと待って居たが、ますます悪くなりそう。







 とりあえず、近くの頂上だけは踏んでおこうと、ヤッケを着て出かける。頂上はすぐ近く、5.6分で行ける。稜線に出たら凄い風。カメラはなんとか作動。







 7.00時。写真だけ撮ってすぐ戻る。小屋が暖かかったのでヤッケ一枚で出てきたら寒くなった。震える。小屋が近いのに良く見えない。


 晴れる見込みがないので、7.30分下山開始。登山路は稜線を外れると風が当たらないので、気分的には楽。




 ハクサントリカブト      シナノオトギリ        エゾシオガマ



 ヨツバシオガマ        シラネニンジン        オンタデ



 ウサギキク          イワカガミ          ミヤマキンポウゲ



 ハクサンフウロ        イブキトラノオ        モミジカラマツ



 大滝山への分岐路までがお花畑である。ここから斜面の急坂下りになり、お花畑は無くなる。


登り口の案内板にオオサクラソウの写真があり、花期は7-8月と書いてあったので、期待していたが、一本も見付けられなかった。オオサクラソウの花期は6-7月頃だろう。




 濃霧はすぐ雨に替わってきた。合羽を着る。またカメラが動かなくなった。諦めてリュックにしまう。後はひたすら降りるばかり。登山路の岩は濡れて滑りやすい。木の階段も滑りそうだ。


 12.30分にようやく車に到着。林道を降った所に有る「四季の郷」という入浴施設で汗を流して帰る。




 燕岳の時のように今回も、大展望の槍・穂高連峰を眺めて、ゆっくりと過ごして来ようと思ったのに、一度も霧が晴れる事が無かった。槍・穂高はもちろん、隣の常念岳さえも、一度も姿を現さなかった。


 がっかり。こんなこともあるんだなぁー。この登山路も標高差が1300mあり、燕岳のアルプス3急登と同じだ。なかなか辛かった。だんだん年寄りには無理になって来ているようだ。


 お盆の間に雨の為、何人も遭難死した。遭難しないだけでも良しとするか。


        
●次項2014年・第58回登山は、8/30富山県「立山」へ●



  2013年07月25-27(木-土)2回 「常念岳」-「蝶ヶ岳」-上高地


 
07月25日(木)第1日目。一ノ沢より常念小屋まで


 去年一人で蝶ヶ岳から常念岳まで歩いて大変良かった。今年はS女史を案内して、その時下山した一の沢から登る事にした。色々調べたら、「安曇野」に置いた車を、上高地入口の「沢渡」まで廻してくれる有料サービスが在る事を発見。利用する事にした。


 早朝4時に小松を出発。高速を北陸・信越・長野道を走り、安曇野インター下車。豊科駅近くの「南安タクシー本社」に8時頃に着いた。ここで27日に沢渡に車を搬送する契約をする。料金は9000円。それまで車を預かってくれる。タクシーに乗換て一の沢登山口まで送ってくれる。有料。





 常念岳登山口の「一の沢」に8.45分頃に着いた。常念小屋へ5.7Kmと書いてある。標高1200mと書いてあるから、2466mの常念乗越まで、丁度標高差は1200mである。私としてはなかなか辛い行程だ。小屋泊まりなので戻ってこないから、なんとかなるさ。9.00時出発歩き出す。登山者は誰も居ない。







 9.15分に「山の神」と云う祠を通過。初めは栂か何かの林の中を進んでゆく。









 このコースは大きな沢沿いに登る。時々沢を渡る。似たような沢ばかりで、判別しにくい。






 10.15分に「王滝」標識通過。10.45分に「エボシ沢」通過。









 11.35に「笠原沢」を通過。12.55分に「胸突八丁」の登りに掛かる。







 沢が下になってくる。上部は雪渓になっている。その上に初めて山が見える。常念岳らしいぞ。








 13.30分、もう沢は終りかと思っていたのに、小さい沢を横切り「最終水場」に出た。ここから最後の急坂に掛かる。標高差200m位。







 13.50に「第1ベンチ」通過。14.10分に「第2ベンチ」通過。14.45分に「第3ベンチ」通過。









 14.40分に「常念乗越」に登り着く。小屋は超満員らしい。本日は一畳に2名でお願いします、と張り紙がある。去年と同じく、地元の学校登山と重なったようだ。





 登山路沿いに咲いていた花。名前は保証しません。

  ホトトギス          タテヤマウツボグサ      コバノイチヤクソウ



  
ハクサントリカブト      アキノキリンソウ       ナルコユリの実らしい



 グンナイフウロ         クルマユリ          



 オオバミゾホオズキ      コバイケイソウ        ホタルブクロ



 ゼンジュガンピ        シモツケソウ         イブキトラノオ



 モミジカラマツ        ミヤマカラマツ        ヤマブキショウマ



 食事前に付近を散歩。北の方は「横通岳」らしい。燕岳まで縦走路がある。




 東の方は「安曇野」の平野が望める。あそこから谷沿いに登ってきたのだ。

 


 テント場の上の砂礫広場まで登ってきた。「コマクサ」が咲いているというので探しに来た。南に降り返ると「常念岳」大きくどっしりと聳えている。標高差は400mもある。




 乗越付近で見掛けた花。コマクサは時期を過ぎたものが多い。

 ミヤマコゴメグサ       ミヤマママコナ        オオバキスミレ



 コマクサ           オンタデ           ハクサンシャクナゲ



 西の方はずーっと雲に覆われていたが、夕食頃に「槍ヶ岳」がチラリと見えた。







 
07月26日(金)第2日目。常念小屋より蝶ヶ岳ヒュッテ





 5時の朝食、並んだのですぐ食べる事が出来た。5.55分に小屋を出発する事が出来た。西の方の槍ヶ岳方面の展望を期待していたのに、残念ながら雲が掛かっていた。








 常念岳へ向かって登山開始。









 振り返ると小屋が見える。上は横通岳。







 さらに登って、三股分岐。7.40分。振り返ると横通岳から続く高い山は「大天井岳」らしい。横通岳の上の山は「燕岳」らしい。若い頃あそこからここまで歩いた記憶がある。
 ここから前常念岳を通って蝶ヶ岳登山口の、三股まで直接降りる事が出来る。ハードらしい。
トレイル登山か若い人が、走りながら登ってきた。三股より三時間と云った。







 7.55分、常念岳頂上到着。記念撮影。











 槍穂高は雲が掛かり少し残念。

 



 今から縦走してゆく蝶ヶ岳方面。大きなピークが幾つもある。




 涸沢のカールが見えてきた。紅葉で有名。一度入ってみたいと思っているー。




 槍ヶ岳は数回全貌を現した。




 山頂付近の花。

 ミヤマダイコンソウ      ハクサンシャクナゲ      イワツメクサ



 10.40分、長い長い岩尾根を降り切り、また次のピークに登り返した。振り返ると常念岳は格好が良い。




 そのピークを降りたら砂礫帯は済んで樹木帯になった。所々にお花畑があり嬉しい。コバイケイソウ咲く原より、越えてきた常念岳を振り返る。




 時々現れるお花畑で見掛けた花。

 ミツバオウレン        ツマトリソウ         オオバキスミレ



 シュロソウ          ハクサンフウロ        テガタチドリ



 ニッコウキスゲ        ハクサンチドリ        マルバダケブキ



 ヨツバシオガマ        オタカラコウ         イブキトラノオ



 ツバメオモト         オオサクラソウ        サンカヨウ



 シナノキンバイ        ミネザクラ          エゾシオガマ



 ニッコウキスゲがいっぱい咲いているピークがあった。




 次に見えるピークは「蝶槍」ピークらしい。この下あたりから「蝶ヶ岳」になるのだろう。







 13.30分、蝶槍への登りに掛かる。










 大キレットと北穂高岳が見えるが、全体は中々見えてこない。







 蝶槍ピークが近くなってきた。










 14.10分にピークに登り着く。






 手前に見えるピークは蝶ヶ岳の三角点のあるピーク。その向こうのピークが小屋のあるピーク。





 安曇野の平野が見える。




 越えてきた常念岳。その手前のピークは、頂上がニッコウキスゲで埋まっていたピーク。




 14.30分に三角点に到達。



三角点情報 
三角点名・蝶ヶ岳
等級・3等三角点
標高・2664.32m 

 昔は此処が「蝶ヶ岳」の頂上だったが、今は小屋の後ろのピークが頂上となっている。







 14.42分、上高地横尾からの登山路と合流する。丁度子供二人の4人家族が登ってきた。








 15.20分に、蝶ヶ岳ヒュッテの手前の方位盤に到着。


 夕方になっても雲は晴れなかった。







  
07月27日(土)第3日目。蝶ヶ岳ヒュッテより上高地



 夜中に、小屋の窓からは、安曇野の平野の明かりがきらきらと綺麗だった。


 朝5.00時に、安曇野の向こうから太陽が登るのが、小屋二階の窓から見えた。日の出は見えたが西の方は濃い霧で何も見えない。






 6.00時に小屋を出て、6.10分に山頂で記念撮影。ここから上高地の徳沢の方へ下山に掛かる。小雨が降ってきた。少し降りると「妖精の池」がある。辺り一面はお花畑である。








 池が3ッ程あるので、どれが妖精の池か判らない。








 付近は高山植物が多い。雨が強くなった。

  ハクサンシャクナゲ              ハクサンイチゲ



  アオノツガザクラ               コイワカガミ



  ミツバオウレン                キヌガサソウ



  ミヤマキンポウゲ               コバイケイソウ



 7.05分、長塀山の三角点通過。
三角点情報「長塀山」 
三角点名・長塀
等級・3等三角点
標高・2564.94m。
 








 雷がゴロゴロと鳴る。ひたすらに針葉樹の樹海を降りる。栂の木の樹海だと思うがー。展望全然無し。







 3時間以上も、同じような樹海を降りる。それでも上高地が近ずくと雨が止んで明るくなってきた。10.35分に徳沢園に到着。川のそばに陣取り一息。








 一時間ほども休んで梓川の縁を歩く。対岸は明神岳かな?。







 上高地のここら辺りは、久しぶりに歩く。気持ちの良い緑の中を行く。








 12.35分に明神館に到着。明神橋を渡って「穂高神社奥宮」にお参りする。後ろに明神池の一ノ池二ノ池がある。








 ここより河童橋まで穂高側の遊歩道を歩く。







 14.10分に河童橋を渡って五千尺ホテルの方へ出る。観光客でいっぱい。奥穂高の稜線は見えず、焼岳の頂上も雲が掛かっている。急に大粒の雨が降ってきた。




 乗り合いバスで沢渡に出て、安曇野から転送されていた車を受け取り、沢渡の温泉旅館で風呂に入り、高山市を抜け東海北陸道を走って帰る。沢渡まで車を回してくれると、帰るのにうんと楽だ。



             **次回登山は、7/29-31長野県「蓼科山」へ**



  2012年07月25-27日(水-金)1回 蝶ヶ岳-常念岳



 社中の発表会も終わり、しばらくは夏休みである。夏の間だけ高い山に「高山植物」に逢いに行くのが楽しみである。年も年だし、北アルプスに登れるのは、あと僅かだろう。入れる場所も、少ししかない。先日、燕岳の急登も、時間をかけてなんとか登った。中二日を置いて今度は同じく近くの
「蝶ヶ岳」から「常念岳」に縦走と決めた。


 ここも、45年前に燕-大天井-常念-蝶ヶ岳-上高地と歩いた事がある。また、相棒K君より、1.2.年前に常念岳へ一泊で登った記録を貰ったことがある。その記録を基にネットで調べていたら、安曇野市の「三股」より「蝶ヶ岳」へ登る道を見付けた。しかも常念岳を通って、元の三股へ降りる道もある。北アルプス入門コースである。蝶ヶ岳ならば日帰りする人も多いようだ。時間を掛ければ私でも登れそうだ。小屋2泊の予定で挑戦する事にした。仲間に迷惑を掛けたくないので、今回は超スローペースで、単独で登る事にした。



 前日24日の午後2時過ぎに家を出て、富山インター下車、国道41号線、神岡から国道471号線、平湯から安房トンネルを越えて松本に出て山裾を安曇野市に向かう。途中のスーパーで食料を仕入れ、アルプスあづみの公園より山に向かう林道に入る。アルプス公園道路からは、暮れ行く「常念岳」が見えている。林道終点が広い駐車場になっている。100台は入れそうだ。3.40台は留めてある。私みたいに、ここで夜を明かす人も居るようだ。20.00時到着。車の中で弁当を食べて寝る。




 
7月25日(水)第1日


 4時ごろ目を覚ましたら、早くも登って行く人が居る。安曇野の方が明るい。私も食事をして、5.00時に歩き出す。駐車場までは舗装してあるが、この先は車進入禁止。舗装してない林道10分で登山口に到着。







 小屋とトイレがある。









 50mほど入ると分岐標識がある。常念岳へ7.1km。蝶ヶ岳6.2Km。







 鬱蒼とした栂の林を行く。「センジュガンピ」









 「イチヤクソウ」







 坂を登った曲がり角に、木の古株の恐竜を見付けた。石の牙が入れてあり、角もある。そっくりで思わずにやりとする。







 沢沿いに登るような感じで、あまり急坂が無い。突き当りまでいった感じで、方向を変え尾根の急坂を登り出す。







 5.25分、急坂を登り切った所で「まめうち平」という所に出る。標高1900m。蝶ヶ岳まで3.9km、三股より2.5kmと書いてある。








 しばらくは緩やかな登りとなる。「モミジカラマツ」








 右手に雪渓の残る山が見える。「常念岳」らしい。








 「ゴゼンタチバナ」








 「ヒョウタンボク」の花。変わった形だ。








 この白い花が多くある。花がもうチラホラと散っているのが多い。今まであまり見かけた事が無い。家へ帰って調べたら「オサバグサ」らしい。







 「ツマトリソウ」









 「オオサクラソウ」がいっぱいある。この花は、今年、゜白山釈迦岳」で見付けて感激したばかり。再会にまた感激。







 「オオバキスミレ」。葉っぱが大きいから大葉なのかな。とにかく葉が大きい。








 「シナノキンバイ」








 「サンカヨウ」。花が散り掛け。









 「オオサクラソウ」。今まであまり、お目に掛かった事が無かったが、今年は良く見かける。






 稜線が近くなると「常念岳」が段々立派に見えてくる。右に伸びる稜線のピークは、前常念だろう。あそこを通って三股まで降りる道がある。凄く長そうだ。




 麓の安曇野の平野も見えてきた。いろんな長野の山が見える。浅間山とか美ヶ原とか八ヶ岳とか妙高火打の頸城アルプスも見えるのだろうが、まだ詳しくは判らない。少し雲が出てきた。







 上から降りて来た人が、今日の御来光は素晴らしかった。槍穂高の眺めが素晴らしい、今でもまだ見えるぞー、と云った。少し歩くスピードを上げる。10.50分、大滝山への分岐通過。









 「キヌガサソウ」







 左に蝶ヶ岳山荘が見えてきたら、前方に槍穂高連峰が聳えていた。稜線が一番へこんだ所が「大キレット」それより左に「北穂高岳」「涸沢岳」「奥穂高岳」「前穂高岳」。大キレットの右に「南岳」「中岳」「大喰岳」「槍ヶ岳」。槍に雲が掛かり見えない。




 11.10分に、早くも山荘に到着。それでも6時間掛かっているか。受付を覗いたら早くも、宿泊受付をしてくれたので、荷物を置いて、お弁当を持って、付近散策。まず「蝶ヶ岳山頂」。11.45分着。真新しい山頂標識が建っている。蝶ヶ岳は横に長く、小さな瘤がいくつかある。もとは三角点のある北寄りのピーク2664mを山頂としてきたが、最近測量したら、小屋の南の小山が2677mあることが判り、ここを蝶ヶ岳の山頂と定めたようである。今日は山を眺めてぼーっと過ごすつもりだ。




 山頂より南の方向。遠くの大きい山は「木曽御嶽山」。その手前の高い山は「乗鞍岳」いずれも最近登っているので懐かしい。蝶ヶ岳より降っている登山路は、上高地徳沢に降りる道だ。




 山頂より北の方向。大きな「常念岳」まで縦走路が続いている。小屋の上の三角ピークは「蝶槍」。あそこまでは楽に歩けそうだが、その先段々と山を三つほど越えてうんと降る。あそこから常念岳に登り返すのは、見ただけでも大変そうだ。







 そばにいた人に記念撮影を頼む。長い事山を眺めていたが、今度は小屋の北側の展望台へ移動。










 「ミヤマダイコンソウ」







 小屋の北側の瘤より、小屋越しに、さっきまで居た「蝶ヶ岳」の頂上を振り返る。頂上の下にテント場がある。




 穂高連峰を背景に、上高地徳沢へ降りてゆくパーティ。雄大な眺めは見飽きない。




 槍穂高は雲が時々出るが、大体見えている。その中で槍の頭だけは中々見えない。一緒に座り込んで山を眺めていた人が、「(槍は)なかなかの役者じゃのー」と云った。






 一瞬見えたかと思うと、あっという間に見えなくなる。まったく「役者じゃのー」。



 穂高と蝶ヶ岳の間は深い谷で、「上高地」である。梓川が見下ろせる。








 「イワツメクサ」 













 「コケモモ」だと思う。









 夕食を済ませて18.00時過ぎ、穂高の向こうに夕日が沈むが、雲が出てきて夕日が見えない。







 東の安曇野の方は霧で覆われている。穂高の雲が切れて、夕日が差込むと、とたんに背景の霧にブロッケンが映る。すぐ雲が出て見えなくなるので、写真はうまく撮れなかった。






 常念岳に夕日が当たり、霧の中に威容を現した。



 一日目の小屋は、ほぼ満員。200人は入っているな。





  
7月26日(木)第2日



 4.30頃、日の出を見ようと外へ出る。小屋の周り何処でも日の出が見える。日の出の方向に雲があり、スカッと太陽は登らなかった。









 槍穂高連峰の上の雲が赤くなった。







 槍に朝日が射しだした。槍ヶ岳より大喰岳、中岳、南岳と続く。




 一度、大キレットに降り、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳と続いている。




 昨日は姿を見せなかった槍ヶ岳だが、今日は惜しげもなく姿を見せている。左の肩に山小屋が見える。アップにすると頂上に人が居るのが判る。




 奥穂高岳。実に堂々としている。




 槍から穂高の稜線は、足を入れた事が無い。体力的にも無理だし、最初から眺める山と決めている。







 小屋のそばの、方位盤のある小さな展望台。槍をバックに満員だ。









 「焼岳」に朝日が射した。下は「上高地」だ。








 「木曽御嶽山」








「乗鞍岳」。

 乗鞍・焼・御嶽、この三山は、ここ、2.3年で登っているので懐かしい。






 雲海の向こうは「八ヶ岳連峰」らしい。手前は「美ヶ原」かな。



 5.40分、朝食。





 6.30頃、常念岳へ向かって出発。実は、蝶ヶ岳へ登る時、へたばったりしたら、蝶ヶ岳に二泊して、付近を散策するか、大滝山へでも出かけて、一日山を眺めて過ごそうかと考えていた。所が11時過ぎには小屋に到着するし、天気もいいし、足も痛くない。よし今日は、常念も登るぞー。








 広い広いハイマツの展望尾根を行く。6.50分、上高地の横尾に降りる分岐を通過。








 7.00時、雷鳥の親子発見。お天気が良いのに姿を現すのは珍しい。小屋に雷鳥目撃情報をお知らせください、の張り紙があった。昨日テント泊まりの人が、ここまで雷鳥を探しに来たのに、見付からなかったと云っていた。子供は4.5匹いる。大パーティが横を通っても平然としている。





 7.10分。その先の緩やからピークに三角点が在った。もとは、ここが蝶ヶ岳頂上で、標高もここの数値だったが、小屋南のピークの方が高いことが判明。頂上を譲り渡した。
 三角点情報
 三角点名・蝶ヶ岳
等級・3等三角点
標高・2664.32m




 その少し先に「蝶槍」と呼ばれるピークがある。地図に名前があるが標高の記入無し。三角点ピークと同じくらいの標高だろう。




 「蝶槍頂上」に登ったら、お祖父さんとお孫さんらしい姿があった。




 振り返ると「富士山」。その手前が「南アルプス」らしい。手前は「大滝山」で、花が多いとかと聞いている。




 「蝶槍」から大降りになり、蝶ヶ岳終わる。ここから先は「常念岳」になる。





 「蝶槍」のピークで、展望を楽しんで、大降下に入る。もったいない。樹林帯になる。

 振り返ると、越えてきた「蝶槍」が高くに見える。








 「ニッコウキスゲ」
 100m程のピークを登ったり下りたり。







 100mといえども、登り下りは中々時間がかかる。その鞍部は大抵広場になり、お花畑になっている。
 「テガタチドリ」







 「オタカラコウ」。
 鞍部に池のあるところもある。








 「グンナイフウロ」
 ピークは四つか五つ位有っただろう。








 「ハクサンフウロ」









 「ハクサンチドリ」の群落がある。








 前方に「常念岳」の威容が見えてくる。最終鞍部までまだまだ降らねばならぬ。




 「槍ヶ岳」が近くなってきた。







 9.45分、ようやく常念岳への登りが近くなった。


 ここからざっと、標高差400mぐらいの登りとなる。



 白い「シャクナゲ」がある














 ひたすら岩の急坂を登る。



















 ひたすら登る事2時間以上。正午12.00時に日本百名山「常念岳」の頂上到着。




 狭い頂上。小さい祠がある。標高2857m。ここには三角点は無い。




 槍ヶ岳の、右の山々が見えてくる。「双六」「三俣蓮華」「鷲羽」辺りと思うが?。一番遠くは「黒部五郎」かも知れないぞ。




 なんといっても「槍ヶ岳」。






 見知らぬ人に、記念撮影のシャッターを押してもらって、50分近く山を眺めていたが、12.50分、常念小屋に向かって下山開始。






 13.00時、前常念岳を通って「三股」へ降りる分岐標識。もし明日ここから三股駐車場へ降りるとしたら、小屋から又、350m程ここまで登ってこなければならぬ。








 安曇野の平野が、今日は、はっきりと俯瞰できる。








 下から、先生に引率された、中学生くらいの生徒が大勢登ってきた。200人もいるかもしれない。やり過ごすのに大変だ。






 下の鞍部に「常念小屋」の赤い屋根が見えてきた。その向こうは「横通岳」でその先は「大天井岳」と思われる。「燕岳」より縦走路がここまで続いてる。








 14.20分、ようやく常念乗越にある「常念小屋」に到着。小屋の屋根の上に、まだ槍が見える。







 小屋は超満員である。学校登山の団体さんが居るので、畳一畳に二人である。45cmの幅しかない。一人に寝袋一つもらえる。食堂の入れ替えも何回もになり、8時近くにようやく食事にありつける。食事までの間、外で山を眺めて過ごす。夕日は綺麗ではなかったが、越えてきた常念岳はいつまでも見えた。その上に半月が掛かっていた。


 
 小屋へ入る時、明日の予定を聞かれ、前常念岳経由で、三股駐車場へ降りる予定、と云ったら、小屋の人が、大分長くて、時間が掛かりますし、道の荒れて悪い所もありますよ、大丈夫ですか?と云われた。まあ―、と答えた・・・が・・。





 7月27日(金)第3日


 三股コースで大丈夫?と昨日、小屋の人に云われ、自分でも又、一人だし、常念岳へ1時間半も登り返す事も考え、無理をしない事にして、「一の沢」へ降りる事にした。小屋前の標識では「一の沢・5.7q・標高1300m・自動車マーク」とある。一の沢駐車場まで5.7q、標高差1200mを、一気に下る事になる。小屋にタクシー予約の用紙が積んである。タクシーを呼ぶ人が多いようだ。小屋の人は3時間で降りれますと云ったが、ゆっくり降りたい(本当はゆっくとしか降りられない)から、9.30分に迎えを頼み、4.15分頃下山開始。






 急坂を降りだすと、前方の安曇野の方より日の出。雲海の上から太陽が出てきた。








 急坂を降りきると、5.10分、下に谷が見えてきた。一の沢らしい。大きな川だ。







 川に着いたら、後はずーっと川沿いに降る。









 「センジュガンピ」







 「ホトトギス」









 6.25分「笠原沢」の標識通過。







 7.30分「大滝」と云う標識通過。近くに滝らしいものは見えない。








 8.25分「山の神」と云う祠に到着。








 8.40分、一の沢に到着。トイレと建物がある。登山者を運んできたタクシーがが丁度停まっている。声を掛けたら頼んだタクシーだった。登山者の駐車場は置いてない。駐車場はもっと下らしい。






 丁度登山者を運んできたので、9.30分まで待って居る心算だったらしい。早いですねー、と云われた。実は5時間以上かかっている。わざわざ登山口の前で、写真を撮ってくれて、車を置いた三股の駐車場まで、廻ってくれた。







 9.30分に、車を置いた三股の駐車場に到着。今日も車でいっぱいである。タクシー代7000円は少し痛いが、常念経由で直接ここに降りる自信がない、年寄りの単独登山では仕方がない。






 安曇野に出る前に、町営の「ほりでーゆ四季の郷」と云う入浴施設がある。常念山荘でもらった割引券で入浴して、帰りは糸魚川へ出て帰る。途中、今度登山を計画している白馬岳の、栂池高原登山口に寄り、資料を貰って帰る。


 
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