日本百名山逍遥
2006.9.より登山順

四国の百名山石鎚山と剣山

[日本百名山]  石鎚山 1.982m (愛媛県)1
[日本百名山]  剣 山 1.955m (徳島県)2
第3回 2019.07.25-25 石鎚登山ロープウェインテ成就ニテ一泊。翌日「石鎚山」頂上往復して下山。
第3回 2019.07.25-26. 見ノ越より、登山リフトで「剣山」を往復。
第2回 2006.10.31-01. 見ノ越より「剣山」往復。剣山頂ヒュッテ泊
第1回 2006.09.26-27. 石鎚登山ロープウェイにて成就にて一泊。翌日
「石鎚山」頂上往復して下山。

  2019年07月24日-25日・3回 成就より「石鎚山」往復 



 四国には日本百名山が二山ある。
「石鎚山」「剣山」である。13年前にK君と一山づつ、遍路巡りと兼ねて、登って来た事がある。今回はS女史に誘われて、二山一緒に案内する事になった。早朝5時に車で出発。北陸道-舞鶴若狭道-山陽道から、しまなみ海道で四国に入る。なかなか遠い。今治に上陸し西条市で「石鎚神社」の本社に参拝する。





 13.50分に「石鎚神社本社」に到着。石鎚山を御神体とする石鎚神社の口之宮である。今日泊まる「石鎚神社成就社」は中宮。頂上の石鎚神社は奥社である。








 石鎚山の開山の「役ノ行者」の像がある。








 本殿に参拝し、境内を一周して、ロープウェイ駅を目指す。







 15.00時にロープウェイ駅の下の、土産店の奥の有料駐車場に車を入れる。二日間分で1400円。すぐ前にロープウェイ駅へ登るが分岐している。


 歩いて登って行くと、石像が並ぶ広場がある。神社なのかお寺なのか、どちらかな。









 往復1950円。20分ごとに出発。誰も居ない。我々二人だけ。










 中々高度差がある。向かい側の山も、地図を見ると登れるらしい。











 30分位い、ぶらぶらと登って行く。

















 ブナの木がある。鳥居が見えてくると成就である。16.00時。





 宿屋が3軒くらいと、突き当りに「石鎚神社・成就社中宮」がある。すぐ参拝、安全祈願である。









 隣の「遥拝殿」に入ると、初めて「石鎚山」が見えた。頂上にガスが架かっている。






 成就社前の「白石旅館」に泊まる。13年前もここに泊まった。驚いたことに他に宿泊者が居なかった。登山する人は、日帰りの人が多いのだろうか。


 






 二日目


 5.00時に起きて、5.40分に、食堂に置いてある朝食のおにぎりを受け取って、宿を出発する。成就社と旅館の間の「神門」が登山口である。登山路は段々と降って行く。標高差100程降る。









 大きなブナがある道であ。八丁坂と云うらしい。







 途中に鳥居があり遥拝所である。木の間に頂上が見える。








 登りになり「試しの鎖」に出る。この鎖は登ると、ピークに登り着き、急な崖を降って前社ヶ森の小屋に出る。鎖を上らなければ、裾を周って小屋に着く。登らなくてこの鎖パスをする。7.35分。





 地図にある「剣山」というピークに登り出す。振り返ると向こうの山の鞍部に「成就」が見える。手前の岩峰のピークは「前社ヶ森」のピークである。試しの鎖を登ると展望は良さそうだが、怖いだろうな。




 「剱山」は頂上を巻いて行く。石鎚山が近くなってきたぞ。




 「夜明峠」へ一度降る。8.15分。




 瀬戸内海が見える所がある。




 8.40分に「一の鎖」に着く。S女史は登り出した。私も一の鎖だけは登ろうと考えていたが、少し登ってみて、年寄りは無理をしないでおこうと、やめて巻き道に戻った。前回は1と2の鎖は登ったのになアーー。




 「二ノ鎖元小屋」の建物が見えてきた。






 鳥居があり、土小屋からの登山路が合流している。新しい休憩所とトイレがあった。

 S女史は二の鎖にも挑戦。私は巻き道を行く。勾配が急になり、ほとんど階段かハシゴである。梯子は登りと下りの二重になっている。






 登って来た方が見える。成就社の平地が見える。





 三の鎖はS女史もパス。さすがの彼女も疲れたらしい。頂上小屋の横を通って、「弥山」の頂上の「石鎚神社奥社」に到着。10.20分。










 隣の「天狗岳」が見える。ここ「弥山」よりも10mほど高い。四国最高峰である。思ったより人が少ない。2.3人しかいない。神社に参拝。




 ここから「天狗岳」は、私は前回登ったので今日は、ここ弥山までと決めている。




 相棒S女史は荷物を置いて、登りに行った。今は誰も登って居無い様だ。彼女だけが細い岩の尾根を登って行く。見ているだけで怖い。








































 頂上近くまで登っているのが見えたのだが、いつまで待っても頂上に現われない。少し心配になった頃、ようやく頂上に姿を現して、ホッとひと安心。あとで聞いたら、行き過ぎて次のピークまで行こうとしたらしい。タブレットのヤマップ地図を確認して、戻ったらしい。














 私が以前登った時はガスが掛かり、あまり高度感は感じなかったが、それでも怖くて座り込んでいた。彼女は平気で立っているぞ。  下山を開始したぞ。











 無事帰還。食事をして、記念撮影を頼んで、11.20分頃に下山開始。降りは、鎖場は二人とも通らない予定。









 ほら貝を持った白衣の人が登って来た。







 途中からだんだん天気が悪くなり、雨が降り出した。ポンチョを着る。八丁坂を登る頃はざあざあと降った。雨の登山は久しぶりだ。暑くて風が無いので、雨が降っても急坂地帯は過ぎていたし、滑らないように気を付けるだけで済んだ。白石旅館に登り着いた頃には雨も止んだ。15.55分。




 ロープウェイで降り、車に着いたのは17.00時近く。


 今朝、宿を出て頂上を往復し、駐車場まで降りて来るまで、12時間近くも掛かっているなんて、我ながらまことに情けない記録である。しかもこれから徳島県の「剣山」の麓の民宿迄移動する予定だ。同じ四国なのに、滅茶苦茶離れている。民宿に電話して21時ごろになると伝えた。最後は真っ暗の山の中をヘアピンカーブ走る。これが国道438号線かとあきれるばかり。21時にようやく、剣山登り口の見ノ越の「民宿まつうら」に着いた。店を明るくして待っていてくれた。まことにありがとうございます。お風呂にも入れて頂きました。


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「剣山」項へ



  2019年07月25日-26日・3回 見ノ越より「剣山」往復



 昨日は石鎚山に登った。最初から、私にとって登山時間が掛かる予定なので、最初から素泊まりで申し込んであった。予想通り
「剣山」の民宿に到着したのは21.00時だった。翌朝は登山リフトが動く前に徒歩登山の予定だったが、疲れたので、朝食を出してもらって、8時から動き出すリフトで登山することにした。


 朝、朝食をしていて、宮尾登美子の小説「天蓋の花」に出てくる「キレンゲショウマ」は、今でも咲いているのかな?と尋ねたら、宿の人はまだ少し早いがそこに咲いているよと、宿の前の斜面を指さした。シカに食べられて、ほとんど無くなったと聞いていたが、「剣神社」へ登る階段横にキレンゲショウマがいっぱい植えてあった。








 鉢植えもあるし、ネットに囲まれた斜面にもある。まだ蕾が多いし雨に濡れている。








 「民宿まつうら」さんのロビーに、田中陽希君のサインがあった。去年の5月のものである。








 リフト駅は旅館のすぐ近くだったが、車で移動。
往復1860円。8.05分。







 リフトは結構長い。足元に花が植えてある。ニッコウキスゲとクガイソウが多い。「キレンゲショウマ」も植えてあった。





 頂上への最短距離の尾根コースを登り出す。早くも雨が降り出した。


















 「オトギリソウ」






 所どころに柵がしてあり、そこだけは花が咲いている。







 小雨で霧が立ち込めてきた。










 ようやく剣山本宮が見えてきた。







 剣山本宮の後ろにある大岩が、御神体らしい。


 参拝して、神社と山小屋の間を登って行くと、なだらかな「剣山」の頂上に着く。





 一等三角点の周りに、しめ縄が張ってある。今日は展望ゼロ。






 頂上には誰も居ない。9.35分。











 予定ではここから「次郎笈」を登る予定だったが。







 次郎笈峠に到着前の分岐で、お天気が悪いので次郎笈登山を断念し、剣神社の方へ降りることにした。
10.25分。









 「二度見展望所」を通るが、展望なし。







 ブナ林を降りていく。






 分岐を「剣神社」の方へ進む。小さな祠の横に、「名水百選・剣山御神水」が湧いていた。うまい水だった。









 案内板に「その昔屋島の合戦に敗れた平家一族が、安徳天皇を擁してこの地に逃れ、平家再興祈願の為、剣神社へ帝の剣と、この水で禊いだお髪を奉納した」






 御神水より階段を登ると「剣神社」に出る。剣神社の後ろに、御神体の「御搭石」がそびえている。御神水はこの御搭石の下より湧き出ているので、美味しくて腐らないとの事である。
 ベンチがあったので昼食。


 少し降りたらリフト駅に着いた。



 振り返ると「剣山」の頂上が見えた。天気が回復してきた。リフトで下山。








 思ったより早く降りてきたので、近くの「奥祖谷の二重かづら橋」に案内する。「男橋」。




 「男橋」




 「野猿」もある。二人で乗ってみた。




 「女橋」




 「かづら橋」からの帰りに、右「次郎笈」と左「剣山」が見えた。石鎚山に続き四国の第2と第3の標高を誇る山である。




 帰りは淡路島から「明石大橋」を渡り、舞鶴若狭道で、帰宅は23.00時だった。



        ■次回登山は、7/30「小遠見山」へ■




  2006年10月31日-11月01日・2回 見ノ越より「次郎笈」「剣山」





 前回遠出の石鎚山は天候に恵まれ、順調に登れたので、今年中に四国のもう一つの百名山
「剣山」に、K君と登ることになった。紅葉にはもう遅いだろうが、小松自宅を4時40分に私の車で出発。8時40分に明石海峡大橋を渡って淡路島に到着。ハイウェーオアシス淡路で、大橋を眺めて休憩。今日も快晴。四国に上陸して高松道から徳島道に乗り換え。10時半に「美馬インター」を降りる。ここまでは前回も通ったから慣れたものだ。






 美馬ICより国道438号線を、山に向かってひたすら走る。国道と言っても道は狭く、K君に言わすと林道並だ。
だんだん高度を上げたら、剣山スキー場の前を通る。やがて少し下りとなり、道端の展望台に出た。美馬より1時間半近くかかっている。車を留めると谷を隔てて剣山が見える。やっと近くまで来たと感慨新ただ。左が剣山で良く見ると頂上に小屋が見える。右は次郎笈の頂きらしい。






 12時に見ノ越登山リフト駅の下に着く。大きな駐車場がある。見ノ越には食堂や民宿があり小さな村である。車を置いて先ず腹ごしらえ、側の食堂に入る。




 予定より早く到着したので、リフトには乗らずここから歩く事に決定。剣神社の長い階段が登山路の始まりである。神社に参拝して右に登山路を歩き出す。








 歩き出した地点はまだ紅葉が盛りできれいだ。しばらくしてリフトの下を通り抜ける。危ないのでトンネルにしてある。








 ここまでくると紅葉は過ぎて葉っぱも落ちた状態だ。登山者とは全然遇わない、想像していたのより静かな山である。














 1時間10分ほど歩いて「お塔石」に出た。下に「名水百選・剣山御神水」があり水が湧いている。横を登ると「大剣神社」出た。この神社後ろに大きな岩が聳えている。お塔石らしい。この大きな岩が御神体らしい。





 周りの木々が低くなり大きな岩が所々にある。次郎笈が向うに見える。












 周りはだんだん笹が多くなってくる。









 ここから20分ほど歩いたら剣山本宮の大きな鳥居があり、前方に神社とヒュッテが見えて来た。








 14時20分、剣山本宮宝蔵石神社に到着。隣が剣山頂上ヒュッテである。ヒュッテは予約を入れてあり受付を済ます。まだ時間が早いので、
「次郎笈山」まで往復することにする。






 ヒュッテと神社の間の細い階段が、頂上への登山路である。神社の後ろの大きな岩が、この神社のご神体らしい。




 緩やかに登っていくと1995mの頂上である。一面の笹原で、裸地化が進み荒廃したので、保全の為木道にしてある。本当の頂上は、三角点の周りに石を積み、しめ縄が掛けてある。14時50分。












 一度下って「次郎笈・ジロウギュウ・1929m」を目指す。頂上にガスが掛かってきたが、登山路が続いているのが見える。








































 見事な笹の原である。四国随一の「縦走路」であるらしい。









 下った峠より見ノ越への分岐を過ぎ、又登りにかかる。やがて次郎笈の頂上を迂回する巻き道への分岐を過ぎ、最後の坂を登るとピークに着く。







 其のピークを左に折れた、次のピークが次郎笈の頂上だった。標柱に1929mとあるから剣山より僅かに低い。剣山頂上より65分かかっている。残念ながら霧が掛かってきて視界が悪い。








 はじめて見た4等三角点がある。湯を沸かしてコーヒーを飲み、満足して元来た道を戻る。







 17時10分ヒュッテに戻る。一泊二食付で7000円。夕食は中々のご馳走である。宿泊者は我々のような年配者が多い。食堂は写真などが一面に貼り付けてある。宮尾登美子の小説「天涯の花」のモデルとなった花「キレンゲショウマ」は、この剣山の代表的花らしい。松たか子がドラマを演ずる時、この小屋に泊まって花を見に行ったアルバムが置いてある。小屋の主人、新居さんが案内している。



 丁度テレビの地元NHKの放送で、「剣山・山小屋便り」を放送している。小屋主の新居さんはここでもしゃべっている。中々の人気者の名物人物らしい。


 朝が早かったので19時20分に就寝。広い部屋でコタツがおいてある。



 第2日目。6時前に起床。快晴。ご来光を拝みに頂上に登る。小屋から頂上まで近くて良い。


 6時21分。日の出。




 南に昨日登った「次郎笈」に朝日が注してくる。とても格好の良い山である。昨日歩いた登山路が続いている。








 昨日見えなかった北の方にも山が続いている。 寒くて震える。




















 朝食後、7時30分。下山開始。ヒュッテ前で、小屋主人の「新居綱男」さんと記念撮影。









 真っ直ぐ尾根を降りる最短の道を選ぶ。7時50分刀掛けの松通過。前方の山肌に国道が見える。8時10分リフトの頂上駅西島駅に着く。まだ動いていない。







 ここより登山口の剣神社まで、登る時に通らなかった遠回りの遊歩道を降りる。気持ちの良い雑木林である。「太鼓くぐり」という所を通る。大きな岩の下に洞がある。登山路は側を通っている。下に見ノ越の建物が見えてくる。9時05分、剣神社着。長い石段を降りて駐車場にたどり着く。9時15分。剣山登山も好天に恵まれ無事終了。





 国道439号線を降ると30分ほどで、「奥祖谷の二重かずら橋」に出た。お婆さんに500円払って谷川のほうへ降りてゆく。かずら橋は結構高い所に掛かっており、下に敷いたコロの間から川が見えて、ゆらゆら揺れてちょっと怖い。ここは山奥なのでほとんど観光客がいない。道が細くてバスが入らないのだ。




 祖谷13橋といわれ、かずら橋は13あったが、今では此処東祖谷村とずっと川下の西祖谷村の二つになったらしい。河原に下りて見上げると紅葉も綺麗だ。これは男橋で、100m川上の低い位置に少し小さな女橋がある。








 「野猿」という川を渡るケーブルみたいな物が作ってあった。乗ってみた。ロープを引くと案外軽く動いた。









 細い国道をどんどん下った。途中西祖谷のかずら橋の側を通った。広い駐車場がありバスが何台も止まっている。大賑わいみたいだ。12時大歩危を見下ろすレストランで昼食。







 今回唯一の、四国八十八ヶ所の最終札所88番「大窪寺」に寄る。14時到着。考えていたより山奥にあった。









 遍路のバスが着いて満願寺はにぎわっている。私の遍路は順不同で周っているので、最終寺は済んでも、あと
まだ30寺くらいは残っている。もう2.3回は四国へ通わねばならぬだろう。







 自宅に21時40分着。










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  2006年09月26日-27日・1回目 成就より「石鎚山」往復


 私はドライブの遠出が好きで、数年前より四国八十八ヶ所の車遍路を始めている。これまでに4回出かけて、徳島県と香川県はほとんどクリアしている。いっぽう最近一緒に里山巡りをしているK君は、日本百名山に挑戦中である。K君の、四国に二つある日本百名山に登りたいという希望を聞き、二人の遍路と登山を一緒にやることになった。


 先ずは
「石鎚山」に登ることとなった。折からNHKの日本の名峰人気投票で、この山がびっくりするほど上位に入っていた。良い山らしい。早朝5時に私宅発、高速を走り淡路島を通り四国に入る。遍路も5回目なので慣れた道だ。飛ばしたので正午12時にいよ西条インター下車。







 先ず
「石鎚神社」に参拝。これから登る石鎚山をご神体とする神社である。石鎚は信仰の山なのだ。登山の安全を祈願する。大きな神社である。









 西条市付近には四国八十八ヶ所遍路の霊場が、4ヶ寺まとまってある。先ずは第64番札所番
「前神寺」。続いて第62番札所「宝寿寺」と巡礼。







 信者には申し訳ないが、私は半分お遊びの遍路である。それでも一応寺に入る時だけ白衣を着て笠を被る。もちろん般若心経は(紙を見て)読む。


 第61番札所
「香園寺」。本場のうどんで昼食。第63番札所「吉祥寺」を拝って山に向かう。





 西条市から石鎚ロープウェイに到る道の、黒瀬ダム湖のほとりから、第61番札所
「横峰寺」へ至る林道が別れている。予定では明日廻るつもりだったが、時間が早かったので林道に入り込む。この山は750mの山頂近くにあり難所として有名だ。歩き遍路者が登山口から歩くと、2時間半かかるそうだ。林道は有料で1800円も取られた。それでも最終駐車場からは徒歩10分もかかる山道だった。







 横峰寺から元来た林道を下り、ロープウェイ乗り場を目指す。最終便が17時なのだ。16時40分の最終1つ前に乗る。往復1900円、客は3人しか居ない。なかなか標高差のあるローブウェイである。山頂駅1300m。







 ロープウェイを下りて20分ほどぶらぶらと登ると、平地となり石鎚神社の
「成就社」に着いた。大きな神社なのでびっくりする。門前に宿屋が2.3軒ある。ここの標高は1400m。石鎚成就社に参拝して「白石旅館」に入る。







 信仰の山「石鎚山」は毎年7月1日より10日までのお山開きには、全国各地から数10万人の信者が白装束で訪れると言う。昔は女人禁制の山だったが、今は女性も大勢登る登山の山となったらしい。それでも7月1日だけは今でも女人禁制だとか。






 紅葉には少し早いこの時節は静かだ。他に数人の宿泊者がいるようだが登山者ではないらしい。ここ成就に泊まっている登山者は我々二人だけらしい。もっともっと混んでいると思っていたのでなんだか当てが外れた。  明日の登山成功と晴れを祈って乾杯。




 
第2日目。快晴。5時半起床。旅館兼山小屋であるから早朝出発もOK。すぐ食事をして出発。すぐ前の成就社に参拝。本殿横の遥拝殿でお勤め中。


 入ると神職の肩越しに、朝日に輝く石鎚の頂上が見えるではないか。ここからこんなに良く石鎚が拝めるとは、昨日は全然気が付かなかった。ここに石鎚神社成就社が有る訳が判った。ここは石鎚山の遥拝所なのだ。







 旅館と遥拝所の間の、注連縄を張ったこの門が登山口だ。登山口という小さな札が下がっていた。6時20分出発、大きなナラとブナの林の八丁坂を一度だんだんと下りてゆく。









 20分ほどで、標高差100mほど降ると、八丁休憩所があり、ここから登りとなる。鳥居があり木の間からわずかに稜線が見える。





 登り返すと前方に全容が見えてくる。右のピークが弥山頂上、良く見ると神社らしきものが見える。真ん中のピークが天狗岳の頂上らしい。やがて試しの鎖に出る。ここは左に巻く道を通る。案内書に通らない方が良いと書いてある。なるほどこの鎖を登ると岩山の頂上に着き、又垂直の壁を降りてこなければいけない。だいぶ遠回りになる。









 8時、夜明峠に到着。笹が多くなり見晴らしが良い。









 10分ほどで一ノ鎖の下に着く。巻き道もあるが、誰も居ないので、モタモタと登っても誰の迷惑にもならないだろうと鎖を登り出す。太いごつい鎖だ。5分で無事登り切る。








 やがて左から、石鎚スカイラインの土小屋からの登山路が合流してくると、二ノ鎖下の小屋に着く。









 先ほどの鎖は思ったほど難しくなかったので、今度の鎖も登る事にする。鎖は二重になっており左が登り専用、右が下り専用なのだそうだ。ここも我々二人だけで、朝も早いから上から人が降りてくる心配も無い。ゆっくりと登り出す。今度の鎖は65メートルだそうで、一ノ鎖より勾配が急である。何とか8分で登り切る。




 三ノ鎖は、腕もだいぶ疲れてきたし、今度はもっと勾配が強く、垂直の所もあると言うから、年寄りの冷水にならぬよう、巻き道を選ぶ。


 9時に弥山頂上の広いテラスに着く。今まで見えなかった南側が俄然と開けてくる。こちら側は切れ落ちている。今登ってきた北側も鎖場が続く斜面であった。2000mに満たない山なのに、両側が切れ落ちた岩稜でとても高山みたいな感じがする。もっとも西日本一の標高を誇るのは間違いない。



 弥山頂上には石鎚神社がある。神社の裏に三ノ鎖の終点がある。鎖を登った人はこの神社の横へ降りてくる。土小屋からの登山者がボツボツと到着。疲れた疲れたと降りてくる人がある。この鎖は若い頃は大丈夫だったのに、と言いながら。




 東側に吊尾根で天狗岳が続いている。少し紅葉している。両側が切れ落ちた細い尾根が続いている。少しガスが出てきた。








 先ずは神社横の看板で記念撮影。4.5人が登ってきた。天狗岳の方へも1.2人下りていった。









 白装束の人が登ってきて、天狗岳に向かって祝詞を上げている。ガスかかってきた。




 天狗岳への道は、覗くと一度鎖を使って下に降り、細いむき出しの岩尾根を登ってゆく。見ているだけで少し怖い。20分ほど天狗岳を眺めて、行こうか行くまいかと考えていたが、決心して荷物を置いて出発。細い岩尾根を両手を付いて慎重に登る。上から覗いた感じより、回りの木が背が高くて少し安心だ。ガスがかかって恐怖感もあまり感じなかった。15分で天狗岳頂上。







 天狗岳の向こうまで行って戻ってきた人に、天狗岳の一番高い岩の上にある祠の前で写真を撮ってもらう。本当に尖った岩峰の上である。K君は立ち上がったが、私は怖くて立ち上がれない。へっぴり腰で岩にしがみ付いている。ここが石鎚山の最高地点で、弥山より僅かに高いとの事である。






 下りも両手を使って慎重に戻る。弥山の石鎚神社が霧の中から見えて来た。








 秋も近いので、ツルリンドウらしい花が咲いている。15分かけて弥山頂上に戻り、コーヒーを沸かして飲みながら、達成感に浸る。








 神社の後ろの三の鎖を、覗き込んでいたら、登山者が一人降りて行った。見ていたら、実に軽やかにスイスイと降りて行った。登ってきた時は、怖そうなので巻き道を登ったが、帰りは自分でも出来そうな気がしたので、この鎖を降りることにした。10時40分降下開始。三の鎖は70mほどである。垂直みたいな感じで、下のほうでは鎖は、岩より離れている所がある。登山靴が大きくて鎖につま先が入らず、鎖の外に足を掛ける。手足の3点は必ず鎖につけてゆっくりと降りる。






 13分で無事通過。登ってくる人の気配が無かったので、登り専用の鎖の方が降り易く見えたので、降りたら下で3人の若者が、私の降りるのを待っていた。入れ替わりに登っていった。


 二の鎖と一の鎖は、登る時に通ったので、下りは巻き道を通った。






 登った道をそのまま下り、13時に山門を潜って成就社に到着。泊まった白石旅館で昼食。









 ロープウェー駅まで来ると、ススキの向うに瓶ヶ森山が見える。ロープウェーを下り帰宅にかかる。









 途中、第65番札所
「三角寺」に寄る。この寺もなかなかの山奥にあった。我々は車だからよいが、歩き遍路は大変だ。





 瀬戸大橋を渡る頃日が暮れてきた。橋の下の与島で夕食。






 日本百名山・石鎚山と四国八十八ヶ所霊場の六寺を廻った2日間のドライブは天候にめぐまれ無事終了。自宅に着いたのは真夜中0時。K君が家に着いたのは0時50分だったとか。ちょうど雨が降り出した。








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