福井県の山逍遥
2006.09.より登山順

  [福井]  三国岳  616.38m (福井県高浜町)131
第1回登山 2016.05.21 

   2016年05月21日(土)初登山



 「福井県の山」という本で、興味ある山を片っ端から登り出して、若狭地方の山ではは
「三国岳」が一つだけ残っていた。若狭の山は鹿が多いので、山に下草が生えて居無い。花があまり咲いていないのでちょっと寂しいが、風が通り暑苦しい感じがしない。そのぶんあまり人が入らぬ山は、何処でも歩けるので、用心しないと迷いそうになる。


 所で三国岳という山はいくつもある。この三国岳は青葉山の近くで、若狭(高浜町)、丹波(綾部市)、丹後(舞鶴市)の三国が接する地点、福井県と京都府の県境である。


 三国岳は地理院地図に山の名前が載っているが、登山路の記入がない。あまり登る人が居無い様だ。今回この「三国岳」を歩くにあたり、いろいろ調べて居たが良く判らない。持っている本では、黒部谷林道の途中から「18番鉄塔」に登り、さらに「19番鉄塔」より巡視路を登り頂上に至っている。降りは直進する巡視路を降りると、「23番鉄塔」まで降りられるが、それから先は通行止めになっており藪になっている。だからここへは下りずに登って来た道を降りるべし、と書いてある。


 また「小浜山の会」の記録は地図に踏破のコースがあるので、なんとなく判るが実際に入山したことが無いので不安である。しかも「鉄塔23番」より「鉄塔24番」に登るようにと書いてある。本に載っている鉄塔18番19番経由の道は荒れているので、登った道を降りるようにとの事。林道から登るコースは上級コースに指定している。我々初心者には無理なのか?。本とは全く反対の事が書いてある。







 とにかくトライしないと何も判らない。S女史と加賀ゆめのゆを7.30分に出発。北陸道から若狭舞鶴道を走り、小浜西ICで降りて国道27号を走る。青葉山が近くなり「青郷駅口」の信号のすぐ先の信号を左折する。関屋という集落らしい。関屋川を遡り三国岳の標識で途中で橋をわたり、右岸を走ると分岐ごとに三国岳の標識がある。高速道路を建設した時の道路らしく、舗装してあり広い安全な道で、くねくねと高速道路の下を走る。何回か高架の高速の下を通った時、道の横に三国岳の登山口を見付けた。エッこんな所に登山口?、と思った。しかしもう一つの林道からの登山口も確認しようと、そのまま進み段々と降ったら林道の分岐に出た。舗装路はぐるりと元の関屋の方へ戻っている。この分岐を舗装していない方へ入り込むと林道からの登山口があるはずである。しかしこの分岐にも先ほどの登山口への標識がある。車をUターンして先ほど見かけた登山口の、カーブの道の広い所へ車を留める。上の高架は高速道である。10.00時。



 車をなるべく道の端に留め、10.10分に登山路を歩き出す。







 一度高速の下を通ると突き当り、右に急な階段が伸びている。三国岳の標識がある。


















 この急な階段を登りきると、ようやく尾根にたどり着きホッとする。見通しは利かないが、新緑である。今日は暑くなる予報だが、日陰になっており快適である。しかし急坂が続く。






 11.05分に巡視路の分岐に出た。左の方へ少し下がる方に鉄塔が見える。22番鉄塔と思われる。


















 登山路は相も変わらず雑木林で、何処も似た感じである。






 11.20分に鉄塔の下に出た。23番鉄塔である。鉄塔の周りだけ刈ってあるが特に展望無し。










 さらに登って行く。少しなだらかになる。







 道の横に大きな石柱。「舞鶴要塞第一地帯標」と書いてあるみたいだ。横には「明治三十二年四月 陸軍省」と彫ってある。舞鶴港の海軍基地を守るため、明治政府は舞鶴に要塞を造った。それに関連するものらしい。






 11.55分に24番鉄塔の下に出た。ようやく頂上らしきものがちょっと見える。









 12.02分に登山路分岐に出た。分岐から降りる道も「関屋」になっている。18番鉄塔から登ってきている道である。下山に使う予定。







 12.10分に「三国岳」頂上の三角点に到着。少し先に赤白鉄塔があり、25番鉄塔である。鉄塔の方面へ「胡麻峠」の標識。左へ降る道に「老富」の標識。








 三角点で記念撮影。誰一人居ない。昔の写真は雑木林の中だが、今は鉄塔を中心に大きく刈られて広場となっている。すぐ昼食。







 三角点情報「三国岳」
 三角点名・三国山
等級・3等三角点
標高・616.38m






 コーヒーカップを持って頂上探索。鉄塔を越え「胡麻峠」の方へ進み振り返る。赤白鉄塔が頂上鉄塔である。


 胡麻峠の方へも鉄塔がつながっている。この先下った所が胡麻峠らしい。左の綾部市老富町から右の舞鶴市に抜ける峠道があったらしい。




 さらに直進する巡視路をたどると「養老山」に出るようだ。




 京都方面から若狭方面、山が連なっているが、何山か全然わからない。







 13.00時頃下山開始。13.10分より分岐を19番鉄塔の方へ降りだす。急斜面が続き、黒いプラスチック階段が所々にある。









 標識もあるが登山者は少ないようで、プラスチック階段が落ち葉に埋もれている。慎重に階段を探しながら降りてゆく。






 新緑が美しい。




 下に鉄塔が見えてきた。向かいの山は「青葉山」と思われるが、雲が掛かり出した。




 13.55分に、409m地点の19番鉄塔に到着。関屋の向こうに若狭湾が見える。少し霞んでいる。




 下に見える高速道路から登って来た。すぐ下の斜面の陰辺りに車を置いたはずだ。




 舞鶴方面の高速道路に見えるのは、舞鶴PAらしいぞ。







 尾根を直進して、14.08分に壊れかけの案内板より、90度右へ方向転換して、関屋の方へ降りる。赤い巡視路分岐の標識もある。県境をそのまま直進する尾根に入らぬよう気を付けた方が良い。








 14.30分に18番鉄塔の横を通る。ここも直進する尾根があるが、鉄塔を回りこみ、急な斜面をジグザグに降りだす。埋もれた階段を探しながら降りていたら道がなくなった。谷底は小さな流れがあり、その向こうに林道が見えた。






 急斜面を木につながり、尻餅を付いて少しずつ、落ち葉と共に滑りながらようやく下にたどり着いた。15.00時。川を渡って林道に登った。正式の登山口を探したら、左に50mほど歩いたところに「三国岳」の標識が壊れて落ちていた。








 川を渡った先に「三国岳登山口」の標識もある。ここから登るらしいが、ここも荒れていて登山路が見えないな。とにかく無事下山して、少し荒れて舗装してない林道を関屋の方へ降ってゆく。









 黄色い花は調べたら「ジャケツイバラ」かな。「エゴノキ」と「ウツギ」の咲いている林道をのんびりと降りて行って、今朝方向転換した林道分岐に着いたら、車が一台林道に入り込んで留まっていた。林道の入口に黄色いテープが張ってあり係員が二人いた。15.15分。


 話を聞いてびっくり。なんと「全日本ラリー選手権第3戦・若狭ラリー2016」がこの舗装された山の中のくねくね道路で行われている最中であるとの事。そういえば朝どこかで若狭ラリーの看板を見かけたような気がしたが、こんな山の中の道も会場とは思いもよらなかった。午後から行われているようで、一周する時間を競っているらしい。



 午前中にコース内に駐車してある私の車を発見して、登山口から少し登って我々を探したようだが見つからなかったらしい。しかし道の端によって留めてあるので、ドライバーに注意の標識を設置し、係員もそばで見張っているらしい。当方は知らなかったとはいえ迷惑をかけたと平謝り。係員からも特に非難の声は無く、今しばらく通れないのでお待ちくださいと、車の中からイスを持ってきてくれた。








 ゼッケンをつけたラリー車が数分おきに、上部から大きなエンジン音を立てて現れたかと思うと、あっという間に目の前の急カーブを廻って降りてゆく。係員の話だと最初の方の車は、すごいスピードとテクニックだったらしい。今はゼッケン60番台であまり上手くない様だ。70番の中ごろでエントリー車は済んだ様で、係員の車が何台も降りてきて我々の歩行も許された。





 15.55分に車まで戻った。大会の車が降りてきて御迷惑をお掛けしてすみませんと謝られて、ペットボトルのお茶を頂いた。ラリー車が一台事故処理中なので、Uターンした方が良いですよと言われ、Uターンして関屋へ出た。途中ラリー車のように飛ばしてみたい気がちょっと起きた。それにしても叱られなかったのでほっとした。




          ★次項2016年の第42回登山は、5/24福井の「平家岳」へ★


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